へなちょこ俳句マラソン

平成23年
3月25日 150   いちはやき世に心澄みてありたし
3月24日 149   去年(こぞ)とは根元たがひたる春ぞ来る
3月23日 148   いまだ揺れ止まぬ地に春疾く来(こ)なむ
3月22日 147   生命かげろふなほ生きるさだめもつ
3月21日 146   春宵に 余す力で 輪をまはす(フラフウプ)[外出取り止めの六年生、夜の駐車場で発散の図。]
3月20日 145   この同じ碧空のもと無事にあれ
3月19日 144   穏ひに見ゆる日々の裡(うち)張り詰めて
3月18日 143   屋に暖ありうから無事かたじけなし
3月17日 142   身の丈超えて力有(も)つは危うし
3月16日 141   平穏の薄板の外(と)は海月(くらげ)成す
3月15日 140   いまだ地震(ない)揺る郷へ祈(の)る「健やけく」
3月14日 139   日々の礎喪ふさま痛まし
3月13日 138   連なれる憂ひの鎖終はれかし
3月12日 137   (な)を案じ汝に案ぜらるる忘れじ[前日11日、東北関東大震災発生]
3月11日 136   岸見えず花粉の海を漂ひて
3月10日 135   陽だまりに陽炎揺れて春兆す
3月9日 134   腰の丈花畑揺る赤帽子[「腰高の花畑なり赤帽子」を改作 保育園児お散歩の図]
3月8日 133   消えし雪こごる季節(とき)をば率て去るや
3月7日 132   目鼻喉涙嚔咳猛威也 [花粉症小景]
3月6日 131   おほうみのあなたより春のぞきをり [東京湾小景]
3月5日 130   ひと歩む道風の道身にしみて
3月4日 129   底冷えをかこち顔なるお雛さま [一日遅れです。へなちょこの本領発揮。]
3月3日 128   待ちわびて春までの距離何マイル
3月2日 127   頬寒し春は弥生のいとけなさ [「弥生」は「やや生ひ」の意だとの説を踏まえてみました。]
3月1日 126   春指して登る山辺の道の険しさ
2月28日 125   気は急くも何為したるや二月逃ぐ
2月27日 124   彼方より春埃撒き威を示す
2月26日 123   荒き風に歩み倦(あぐ)む春の精
2月25日 122

  降りつ止みつ麗なる日へあと一歩

2月24日 121

  宵の鐘静けく花の季節(とき)を待つ[夕暮れの上野公園小景]

2月23日 120

  力みなき笛吾が庵に春を呼び

   [昨夜はほぼ日の栗コーダー・ライブを堪能しました。四人とも極めて高い音楽性を備えたかただと改めて認識。]

2月22日 119

  (ふみ)の国迷ふも楽し冬の旅[恵文社一乗寺店の思い出]

2月21日 118

  古都出でて名残の雪に見送らる[神戸からの帰りに京都に立ち寄りました]

2月20日 117

  外つ世への窓なりし街春臨む[神戸小景]

2月19日 116

  春の王使者に遣はす荒き風

2月18日 115

  冬逐ひて春引き寄する強き雨

2月17日 114

  棟木上げ弥健やかに春よ来い[昨日の上棟祭の思い出に]

2月16日 113

  雪消えて置き残すもの春兆す

2月15日 112

  座職にて凍れる土の尻冷やす

2月14日 111

  罷でても籠りてもなほ凍ゆる日

2月13日 110

  凍て尽くす天土風に苛まる[昨日の、もう泣いちゃいそうな寒さ]

2月12日 109

  東京(まち)の雪処々よそひをり粉砂糖

2月11日 108

  層なしつ雪率てきたる鈍色の雲

2月10日 107

  初雪は喉潤して早去りぬ

2月9日 106

  春芽吹く力蓄ふ裸の木

2月8日 105

  彼方より春の香仄か風の裡

2月7日 104

  朝日冴え音煌めきてアマデウス

2月6日 103

  MUJIの店春のコートの並び初め[巣鴨アトレ小景]

2月5日 102

  泣き笑いないまぜにして春は立つ

2月4日 101

  佳き年を始めなむいざ福は内[一日遅れですが、節分に寄せて]

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