へなちょこ俳句マラソン

平成23年
2月3日 100

  めでたさを分かち合ひたり紅き梅

     [我が家の受験生、行き先が決まりつつあります。ほっとしました。]

2月2日 99   朝まだき衣干す指の凍てゆく
2月1日 98   メール閉じ冷えし大気の重み知る
1月31日 97   空冴えて涯無き碧(あお)に吸い込まる
1月30日 96   タワーの灯心暖むさま健気
1月29日 95   凍つる空飛行機雲に引き裂かれ
1月28日 94   短き日何匿しをる濁り空
1月27日 93   冬の陽は雲の砦を彫りいだす
1月26日 92

  底冷えのお百度石に祈り積む

     [お邪魔したお社でお百度石を見ました。ひたむきな願かけの様子を思い浮かべて。]

1月25日 91   懐かしき人と語らひ夜寒どき
1月24日 90

  新年をことほぎをさめ月曜日

     [昨日、長く遠方からお参りくださるかたがたがお見えになり、二十日正月のご祈祷を行ないました。]

1月23日 89   冬日暮れ紅くかがよふ高層建築(ハイライズ)
1月22日 88

  北欧のをのこの歌に土の香(か)をきく

   [たまたまテレビで、スウェーデンの男声合唱団オルフェイ・ドレンガルの演奏を耳にしました。]

1月21日 87   窓曇る賑はひの中(うち)吾一人
1月20日 86   すいとんを平らぐ肚の熱発す
1月19日 85   身の芯の冷え解き癒す湯殿なり
1月18日 84   空き地枯れ隅に樹の腰くねる見ゆ
1月17日 83   ニットの詰める目を寒風すり抜く
1月16日 82   ヒーターの温きにうつら夕電車
1月15日 81

  十二歳花咲かせたい新春(はる)である

         [初めて受験生の保護者をやってます。本人は淡々としてますが、こちらのほうが息切れ。試験、早く終わってほしいデス。]

1月14日 80   冬キャベツ煮込まる箸にて切るるまで
1月13日 79   浮世なる小事を包み冴ゆる空
1月12日 78   身切る風ケータイに繋がり求む
1月11日 77   振袖の花寒風を堪えて咲く[成人式スナップ.....のつもり]
1月10日 76   帰りなむ西の夕空冬蜜柑
1月9日 75   頬凍てて風のやいばに撫で切らる
1月8日 74   松明けてなほ煌めける有楽町[夕刻の盛り場小景]
1月7日 73   日傾き異国の光満つる冬
1月6日 72   キー叩き年の誓ひを認めぬ
1月5日 71   新年の空雲一つ綿のごと
1月4日 70   千両の実落ちて二つ卓の上
1月3日 69   初春の凪荒波を秘めてをり
1月2日 68   元旦の空薄桃の温(ぬく)き肌[昨日の光景。]
1月1日 67   元日といへど三百六十五分の一
平成22年
12月31日 66   禍事(まがごと)は吹き払はれむ来たれ佳き年
12月30日 65   ものひと溢るる年の瀬東急ハンズ
12月29日 64   冬雲を紅(あか)染むる下(もと)黒き猫
12月28日 63   幸あれと願ひ購う松飾り
12月27日 62   進む箸千枚漬けのはりはりと
12月26日 61   夕暮れの影長き脚持て余す
12月25日 60   世を離(か)れて風邪に臥しをり胃の重さ[完治せず体内に潜伏していた風邪が胃腸で大暴れ]
12月24日 59   蒼冴ゆる空 貼りつけしビルそびえ
12月23日 58   楓枯れ散り敷くうちに赤燃えて
12月22日 57   各々住まふ世は異なりけり冬
12月21日 56   低き陽に児の影溶くる午後三時
12月20日 55   風邪の床時の歩みの滞る[子どもの頃を思い出して]
12月19日 54   寒空の青無限大吾惑ふ
12月18日 53   加湿器の低く唸りて寒夜更く
12月17日 52   外套の小さき淑女華やいで
12月16日 51   精米店に聖歌流るる夕べ

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