だいこく通信 第三号「秋の号」 (平成22年9月発行)

 

ごあいさつ

 日頃より当神社での神明奉仕にご協力を賜り、ありがとうございます。

社報「だいこく通信」第三号をお届けいたします。隣地の工事もだいぶ進み、遅くなりましたが、まもなく社殿建築が始まります。これまでよりも小ぢんまりとした境内になりますが、できるかぎり従来の雰囲気を保ちながら、崇敬者のみなさまに安心してお参りいただける環境を目指したいと考えております。また、新しい試みも検討中です。今後ともなにとぞよろしくご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

大國神社 宮司 大島資生

大國神社のいま

〈新築工事の様子〉

「ごあいさつ」にも記しましたとおり、秋からは社殿の新築が始まります。今後の日程は以下のように予定されております。

 

  平成二十三年春 社殿(本殿・拝殿)完成

  平成二十三年末 境内整備完了

 写真は現在の境内の様子です。隣地の共同住宅が建ちあがってきました。なお、この共同住宅は土地の買い主である建築会社が管理・販売・運営するもので、当神社とは一切関係ありません。当神社は共同住宅の大家ではありません。

 境内整備後、神社の門は旧来と同じ位置になります。社殿は門から入ってほぼ真正面に建築予定です。建て替え前の社殿よりいくぶん広くなる予定です。また、旧本殿は新しい本殿の内部に復旧する予定です。一方、社務所は向かって右手(イチョウの木の内側)に新築いたします。

 

お宮あれこれ 尊像と「大こく様」の歌

 今回は、甲子祭にお出ししている尊像、そしてよく知られている「大国様(だいこくさま)」の歌についてとりあげます。  

 

まず、尊像は一体ずつ手彫りでの作業です。極度に抽象化され、非常に素朴な造形になっております。尊像の各部分を見てみましょう。

 頭には頭巾をかぶって、米俵の上に乗っていらっしゃるお姿です。

「だいこく通信」第一号で取り上げた「打ち出の小槌」ですが、尊像でも大國様が右手に構えていらっしゃいます。お顔に向かって左側の少しだけ削った面が、小槌の頭の部分を表現しているのだそうです。一方、向かって右側に刻まれた線は、大國様が肩からかついでいらっしゃる大きな袋を表しています。

 また、尊像の背面には次のような文字が記されています。

   日出大國神 直有利生 誠天運力叶

 この文言の出典などは明らかでないので すが、「日出大國神」は、神社が東南向きの立地であるところからこのように言われたものと思われます。「直有利生」は「直ちに利生ずる有り」と読めます。

(お祀りする者には)すぐにご利益がある、という意味でしょう。最後の「誠天運力叶」は「誠に天の運力叶う」で、本当に天の運勢をつかさどる力が叶う、意訳すれば、願い・思いはそのまま叶えられる、といった内容でしょうか。

 ところで、大國様の袋を担いだ姿は、よく知られている唱歌「大こくさま」の歌にも歌われております。こちらで歌を聴くことができます)

 「大こくさま」(石原和三郎作詞・田村虎蔵作曲)

 (一)            (二)
  大きな袋を肩にかけ       大こくさまは哀れがり
  大こくさまが来かかると     「きれいな水に身を洗い
  ここに因幡(いなば)の白うさぎ  蒲(がま)の穂綿(ほわた)にくるまれ」と
  皮を剥(む)かれて赤裸      よくよく教えてやりました

(三)             (四)
  大こくさまの言うとおり     大こくさまは誰だろう
  きれいな水に身を洗い      大国主の命とて
  蒲の穂綿にくるまれば      国を開きて世の人を
  うさぎは元の白うさぎ      助けなされた神様よ

大國様は豊穣のシンボルとしてとらえられることが多く、商売繁盛の神様として有名です。他方、この歌は、傷ついたウサギを助けたという「因幡の白うさぎ」の逸話を伝えるものです。実際、ガマの花粉には止血作用があるそうで、大国様はそういった医学的な知識もそなえていらしたことがうかがわれます。このように、大国様は病気平癒の神様としての顔も持っていらっしゃいます。このウサギの場合は肌の治療ですから、さしずめ皮膚科のお医者様といったところでしょうか。このようなご神徳をお持ちの神様ですから、もしかしたら、美肌などをご祈願なさってもご利益が期待できるかもしれませんね。

 

尊像代金について  

材料費の関係上、恐れ入りますが、次回(十一月十日甲子祭)から、第五体目から第七体目までは1500円とさせていただきます。第一体目から四体目まではこれまでどおり1000円でお出しします。なにとぞご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 

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